『WI-1000XM2』をパチンコ屋で使った感想&『WI-1000X』との比較【ノイズキャンセリングイヤホンのホール適正】

WI-1000X-XM2ネックバンド比較

昨年の12月にソニーのネックバンド型ノイズキャンセリングイヤホン『WI-1000X』の後継機種にあたる『WI-1000XM2』が発売されました。

『WI-1000X』愛用者の自分としてはやはり気になるものの、決して安い買い物ではないため、前作と比較してどの程度進化しているのか、購入する価値があるのかなどを様々なレビューなども読みながら思案していました。

そして、少々迷った結果として…購入しました!

という訳で、前作と比較してどこがどう進化したのかといった点について、拙いながらもレビューさせて頂こうと思います。

『WI-1000XM2』の購入を迷った末に決断

自分にとっては待ってましたといった感じの新機種でしたから、発売前から当然気になっていました。

発売後に価格がこなれてきたら購入しよう(当初は35k超えてたので)…当初はそういった認識で価格推移を眺めていたものの、ちらほらと出て来た使用者のレビューを読んで、どうしようかと悩みが深まりました。

というのも、この機種についてあまり「劇的な進化」は期待できないのでは?というニュアンスが伝わって来た為です。

特にノイズキャンセリング性能に関しては、一応は進化しているけど大きくは変わらないといった意見も少なくなかったので、だったら今のモデルのままでも良いか?との思いが頭をもたげたりなんだり。

とは言え、いくつか気になる新要素(実用的なキャリングケース収納、リモコン分離)といった事もあり、それに少しでもノイズキャンセリング性能が上がっているならやっぱり気になる…なんて事を思っている時に、ポイント還元を駆使すればそこそこ安く買える状況を発見したので、勢いも手伝ってポチりました。

『WI-1000X』との比較

主にホールでの利用に関わる点について比較して行きたいと思います。

あっ、ちなみに音質に関してはどちらの機種も自分としては十分満足できるものでしたので(というかその点に関してはほぼ門外漢なので)、「十分良かった」との一言だけで失礼します。

ノイズキャンセリング性能

ホールでの利用を考えたら一番気になる部分でしょう。

両方を出来るだけ同じ環境で聞き比べた結論として、たしかに進化しています。

ただやはり事前に見ていた評判通り、「劇的な進化」というほどではなく、この点だけのために3万円程度払う気になるかと問われると正直厳しいかな…という程度の差ではあります。

とは言え、例えば音楽ではなくネットラジオを視聴するような「会話を聞く」点を重要視するのであれば、このわずかな進化が少なくない意味を持ってくるかも知れません。

個人的にも『WI-1000XM2』にしてから、より音声系のものを聞く事が増えたように思います。

ちなみに音楽を聴くのであれば、前作の時点で十分実用的でしたから、今作でも当然全く問題なく活用できます。

丈夫なポーチに収納可能

WI-1000XM2収納

これは本機種において最も分かりやすい進化点ではないでしょうか。

『WI-1000X』にも一応はポーチが付属していましたが、ペラッペラの不織布ケースに本体をそのまましまうだけのもので、かさばる&衝撃にも弱いといった感じでとてもじゃないですが実用的なものではありませんでした。

WI-1000Xのパッケージ内容

それに比べると新型のポーチはちゃんと携帯する事を前提としたものとなっているので、ようやくこういったケースに入れて持ち運べる仕様になったなと感じました。

このメリットに関しては常に首に下げた状態で外出&帰宅する人だと実感しづらいかも知れませんが、自分のようにホールで使う時にカバンから取り出すような使い方をしたい人にとっては大きな利点となるでしょう。

シリコンタイプになったネックバンド

WI-1000X-XM2ネックバンド比較

外側が前作『WI-1000X』、内側が新作『WI-1000XM2』のネックバンドです。

前作はカッチリした作りなので剛性が高い一方で柔軟性はほとんどありませんが、新作は逆に柔軟性だらけでグニャグニャします(だからこそコンパクトなポーチに収納できるんですが)。

これに関しては収納面では圧倒的に新作に軍配があがりますが、実際に装着して使う分にはどちらでも別に…というような感想ですね。

収納面以外でシリコン仕様になったメリットは特に感じていません。

分離型リモコン

WI-1000XM2リモコン

前作では操作系統をネックバンド左に集中させていた仕様だったものが、新型では別途左コード途中にリモコンが搭載されました。

これに関しては正直、前作の方が使いやすかったというのが現状の認識ですね。

少し慣れてはきましたが、コードの途中にあるので手探りで目当てのボタンを探し当てなければいけない感じが、ネックバンド左に操作系統が集中していた前作よりもやや面倒に感じます。

かといってリモコンが別についた事で何かしら操作的なメリットが増したかと言えば特にそういった事もなく、正直なんでリモコン分離したの?といった印象の方が強いですね。

ただこの分離リモコンには通話用のマイクも搭載されているようなので、声の拾いは耳の部分にマイクが搭載されていた前作と比較して良くなっているように感じるので、そういったメリットも一応はありますね。

イヤーユニットが磁石でくっ付く

他社製品ではお馴染みのアイディアらしいですが、これは良いですね。

ただくっ付く面が平面ではない(湾曲している)ために、ちょっと激しい動きをした拍子に服に擦れた結果、離れてプラプラするような事もたまにあります(特に冬は上着と干渉してそういった機会が増えそう)。

とは言えやはり搭載していないよりは全然マシですし大した問題ではないんですが、もう少しくっ付く部分を平面にしておけば良かったかも知れませんね。

イヤーユニットがより耳の奥まで入りやすくなった

WI-1000X-XM2イヤーユニット比較

上が前作の『WI-1000X』、下が新作の『WI-1000XM2』です。

耳の中に入る先端の突起が長くなっているのが分かりますか?

これにより、前作に比べてよりグイッと耳の中に押し込みやすくなっていますね。

自分はそこまで大きな差は感じませんけど、人によってはフィット感がかなり向上するのではないでしょうか。

外音取り込みの性能アップ

地味に大きいなと感じるのは外音取り込みモード(アンビエントモード)が前作と比較してかなり良くなっている点です。

まず音質がかなり良くなったというか、「ボァ~」っとした環境ノイズだらけだった前作に比べるとかなり自然な感じに聞こえます。

そしてアプリ側で外音取り込みの音量を調節できるのも良いですね。

ノイズキャンセリング性能よりも、この外音取り込み性能の方が分かりやすく進化していると感じます。

ホールでの使用実感

ホールで実際に使用してみた感想としては、基本的には前作と同様ですが、一応は+αの部分もあります。

ノイズキャンセリングの効果について、対象と流す音の種類別にザックリとですが感想を。

周りの騒音対策

ホール内の騒音をどれだけ消せるかですが、「ザワザワ」といった感じの周囲の音(ノイズ)に関しては結構消えてくれます。

前作との比較でいえば、騒音フィルターが1枚増えたような感じとでも言えば良いでしょうか…若干ですが更に周囲のノイズを減らせるような感触はあります。

対して自分が打っている台の音なんかは基本的に十分聞こえますので、ノイズキャンセリングをオンにしているせいで台の音が聞こえない…なんて事は基本的に無いと思います。

音楽を聴きながらプレイ

前作と同様に音楽を聴く分には十分なレベルでノイズキャンセリングが効果を発揮してくれます。

音量をそこまで大きくしなくても確りと聞こえるので、音楽をメインで聞きたい人であれば、その点で不満を感じる事はこれといってないでしょう。

ただ逆に言えば、音楽を聴くだけなら前作の『WI-1000X』でも必要十分だと言えるので、価格差を考慮して前作を選ぶのもアリでしょうね。

音声を聞きながらプレイ

ネットラジオなどをホールで聞くような場合ですが、これに関しては場合によってはある程度音量を大きくしないと聞き取りづらいケースもあると思います。

前作の感想でも書きましたが、やはり「音楽を聴く」のと「会話を聞く」のとでは必要な音の鮮明さに大きな違いが出て来るので、音楽を聴くほどには「全然大丈夫」とは言えないのが正直な所です。

ただ新作の『WI-1000XM2』はノイズキャンセリング性能が多少向上しており、この「多少」の恩恵があるのがまさに「会話を聞く」部分だったりもします。

個人差&音源の性質によって感じ方は変わって来ると思われますが、個人的には「会話音声を聞く」上では前作よりも今作の方が適正はアップしていると感じています。

イヤーピースについて

前作の時は当初、コンプライなどのウレタン系イヤーピースを活用していたんですが、しばらくして帰着したのは実はシリコンタイプのイヤーピースでした(しかも安い)。

というのも、どうにも自分の耳にはウレタン系だとどうしても隙間ができやすいようで、フィット感を得るのが難しかったんですよね。

それで出来るだけフィットさせようとLサイズのものを使ったりもしていたんですが、そうすると長時間付けていると耳が痛くなるような、そんな感触がありました。

そこで試しに一度シリコンタイプのLサイズを使って見たら、意外と良い感じだったんです。

恐らく確りと密閉出来た時の遮音性はやはりウレタンタイプに軍配があがると思いますが、Mサイズのウレタンだと隙間が出来る感触があるし、Lサイズにすると耳が疲れるし…という事を考えると、トータルバランスでシリコンのLサイズというのが個人的な最適解かな?というのが現状の認識です。

今の所『WI-1000XM2』+『 EP-EX11L』で必要十分な使用感なので当面はこのまま、あるいは遮音性が高そうなシリコンタイプのイヤーピースを試す方向で考えています。

『WI-1000XM2』の満足度

結局の所、買ってよかったと思っているのかどうかと言えば、前作を持っている人間としては「別に買わなくても良かったかも」というぐらいの認識です。

といっても『WI-1000XM2』が悪い商品だと言っている訳ではなく、「前作から進化した点に『WI-1000XM2』の購入金額分を払う価値があるかと言えば微妙」といった意味です。

たしかにノイキャン性能は若干アップしましたし、携帯性もアップしました。

ただノイキャン性能は前作でも個人的には必要十分な範疇でしたし、携帯性も基本的には車移動なのでそこまで問題にはなりません。

なので前作から劇的な進化を期待して今作を買うと、少々肩透かしにあう人も少なくないと思いますね。

一方で前作を所有していないのであれば、ネックバンド型(バッテリー持ちが良い)ノイズキャンセリングイヤホンというカテゴリーにおいて、第一に検討するべき商品である事は間違いないでしょう。

前作と今作を価格を度外視にして比較したら、やはり今作の方が色々な面を考えるとお勧め出来る商品であるのは確かです。

ただ例えば、前作をかなり安く購入できるような場合、ホール内で聴くものが音楽(歌モノ・インスト問わず)である場合には、価格差次第では前作を選択するのもアリでしょう。

一方で会話音声を聞きたいような場合(ネットラジオなど)は、多少価格が高くついても新作の方を購入した方が良いと思われます(多少向上したノイキャン性能の恩恵が期待できる)。

以上、『WI-1000XM2』を『WI-1000X』と比較しつつのレビューでした。

参考にして頂けますと幸いです。


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