パチスロ漫画「若葉レバーオン!」の感想【競技スロット漫画】

若葉レバーオン!

パチンコ・パチスロには攻略雑誌とは別に、「パチンコ・パチスロ漫画」という文化があります。

…と知ったような事を書いていますが、自分はあまりなじみがない文化なんですけどね。

幾つかの漫画をチラホラと読んでみた事はありますが、基本的にはあまり接してきませんでした。

そんな自分が何を思ったのか、以前からちょっと気になっていた作品を全話一気読みしてみたりして。

それが「若葉レバーオン!」という作品です。

「若葉レバーオン!」とは?

若葉レバーオン!トップ

「若葉レバーオン!」とは、パチマガスロマガ系の漫画雑誌である「スロマガ7」にて連載を開始して、後に「スロマガ7」の休刊に伴って「パチスロ攻略マガジンドラゴン」にて連載が引き継がれたパチスロ漫画です。

今の所はコミックスは全4巻(すべて電子書籍のみ)の作品として一応は完結しているようです。

一応は…というのは、ストーリー的には全く絞められていないので、どうやら打ち切りのような形で幕を閉じる事となったようです。

まだ公式ページが生存しているので、詳しくはこちらでご確認下さい。

「若葉レバーオン!」感想

パチスロ版「スラムダンク」に「咲-Saki-」を添えて…

この作品を読んでいると、所々にスラムダンクオマージュ的な要素が散見されます。

想定読者の認知度なんかも考慮して、間違いなく意図的に寄せているのだろうと思います。

本来部活動で扱われる事のないものを部活動として描くという点、さらにはキャラクターのバックグラウンドなんかに関しても咲-Saki-を感じさせる点は多々ありますね。

「咲-Saki-」は麻雀部ですが、この作品はパチスロ部という事で更に部活動とは縁のない題材ですが。

キャラクター設定はスラムダンクをベースに咲-Saki-的な要素も絡めつつ…という感じでしょうか?

自分はそれほど漫画に詳しくないので分かりませんが、他にもアイデアの元になっている作品が色々とあったりするのでしょう。

競技スロット

若葉レバーオン!競技スロットとは

スキーのノルディック複合のような形で、先に「差枚」競技を行い、その成績に応じて「目押し」競技のハンデを決定するというスタイル。

これを最初に知った時は、こりゃ駄目だろうと感じました。

なぜかと言えば、パチスロの競技性という事を考えた場合、ストーリー性なんかを考えると「立ち回り」という要素をメインに据えるべきだと考えたからです。

「目押し」競技というのは如何にも分かりやすいのですが、ここでストーリー展開に色を付けようとすると色々と無理が出て来ると思ったんです。

要するに目押しというのは、「上手いor下手」あるいは「直視orタイミング」あるいは、「成功orミス」といった見せ方に限定されてしまう部分が大きいので、「目押し」競技で決着を付けるというものでは一度限りのネタならともかく、何回も勝負を繰り広げるような部活モノとしては物足りないと思ったわけです。

しかし実際に読んでみると、ギリギリセーフかも?と思えるぐらいには面白みを見せる事に成功していました。

パチスロ競技=目押し勝負といった分かりやすさを前提とするなら、こういった描き方もアリと言えばアリですね。

さらには「差枚」競技も中々起伏のある展開を見せてくれているので、このスタイルは一応は成功したと言っても良いのだろうと思います。

とは言え、仮にもっと連載が続いていたとしたら流石に厳しかったとは思いますが…。

目押し競技の見せ方を見ると、やはり部活モノの中でも特に「スポーツ」といったスタイルで描きたかったのだろうなというのは強く感じます。

そういった意味ではこういったスタイルを選択するのは必然だったのかも知れませんね。

「ヒキ」をあえて強調しない

パチスロ漫画にも色々なスタンスがあると思うんですが、比較的オカルト寄りな作品だとやはり「ヒキ」というものが重宝されているのでしょう。

この作品は先ほど触れたような競技スロットとしての分かりやすさとして「目押し」という部分を押し出している反面、「ヒキ強が勝つ」的なものを描く気はないようです。

そこはやはり競技スロットというだけあって、競技性というものをしっかりと見せようといった意思を感じます。

こういったスタンスはパチスロのライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広く好感を抱ける点ではないでしょうか?

新旧織り交ぜた機種構成

競技スロットだからこそ可能となる新旧織り交ぜた機種構成も魅力の一つですね。

ただここに関しては風呂敷を広げ過ぎると読者が知らない機種が増え過ぎるきらいもありますし、よりリアルタイム性を重視するのであれば現在のホール設置機種を前面に押し出した構成にするというのも良いんじゃないかとも思いますけどね。

機種構成に関しては色々なバリエーションが考えられるので、ストーリー展開としても様々な可能性が広がっていくだろうと思います。

機種の使用に関して許諾が必要でしょうから、とりあえずはメーカー縛りが多くなってしまうのは仕方ない所ですが、他にも色々なパターンでの縛りも可能ですから、可能性は無限大です。

外連味のある作風

最低限の競技性を確保しつつも地味にならないように、ある意味では少年漫画的な外連味を意識して描かれているので、「部活もの」として非常に王道な描き方となっているように思います。

自分の好みから言えば少々大げさな見せ方だなぁと感じる部分も多々あるワケですが、逆に言えばこういったノリに触れるのは久しぶりだったので、「懐かしさ」というものも味わえました。

作画面

自分は漫画を読み慣れている人間ではないので作画に関してアレコレ語れるほどの素養がないんですが、個人的には不満もなく楽しく読める上等な作画だと思えました。

特に後ろの巻に行くにしたがって描きなれていく事で安定感も増し、最終的にはそれこそ有名漫画雑誌に掲載されていても遜色ないものになっていたんじゃないかと思います(あくまでも素人意見ですが)。

「若葉レバーオン!」感想総括

部活動で競技スロットというアイデアは、「変わり種部活モノ」という意味ではベタといえばベタですが、個人的には非常に良いと思います。

自分はパチスロ漫画に疎いのでこういったものが良くあるものなのか、あるいは珍しいものなのかはよく分からないんですが、もし珍しい部類のものであるのなら、それこそ新境地の開拓者として名前を残すべき作品だと言えるんじゃないでしょうか?

期待した以上に部活漫画として堂に入ったものとなっていて、読んでみて良かったと感じています。

本当にそれこそ「咲-Saki-」と共にガンガンあたりに掲載されていても違和感なく読めちゃうでしょうね。

ストーリー的には地区予選の一回戦終了時点で終わってしまっているので、何とか地区予選の内容ぐらいは描いて欲しいと思うんですけど、どこか他のパチスロ漫画誌が連載を引き継いでくれないものだろうか…。

ただ正直、個別の感想でも触れたようにノルディック複合的なスタンスで差枚+目押しで決するという競技スタイルは早々にストーリー展開的な行き詰まりを見せる事が予想されるので、長期連載向きの設定じゃないというのも確かな所なんですけどね。

出来ればより差枚というか、「設定判別」そして「立ち回り」といった所をメインとした(目押しは補足的な要素として印象的な使い方をするなどで活用)競技スロットというものを設定して、新たな競技スロット漫画を伊藤ひずみ先生には描いて頂きたい!

伊藤先生がパチスロに関してどの程度通じているのかは正直良く分からない所があるんですが、もし必要であればパチスロライター(パチスロに詳しい人ね?)に監修してもらうなどするのも良いでしょうね。

「若葉レバーオン!」とても面白かったです。

この作品の続編、あるいは違った形での競技スロット漫画というものが伊藤先生の手で再び描かれる事を心待ちにしています。


©伊藤ひずみ©PLANTOPIA