12月新台の中でそれほど業界的な期待感の高くなかった数機種のうちの一つ、それが『パチスロ トータル・イクリプス2』の立ち位置でしょうか。
初代が比較的話題性のある機種で、あの当時としては中々に尖った出玉性能を有していましたね。
二代目は5.9号機として登場しましたが、設定が分かりやすいという以外にはあまり覚えていません。
そんな中で登場した三作目(ナンバリング的には2ですが)、個人的には初打ちが楽しみだった機種の一つでした。
そんな機種をようやく初打ちしてきたのですが、初打ちでいきなりロングフリーズを引くという展開で、前菜はおろかメインすらすっとばしてデザートを平らげた気分です。
そんな少々変則的な状況での初打ちでしたが、感想を語って行きたいと思います。
ゲームフロー
通常時はチャンスゾーン経由or直撃でボーナスを獲得して、そのボーナスからST型AT『サバイバルタイム』へと突入させてからが本番、といったゲーム性となっています。
最近だとタイバニの印象が強い人も多いかも知れませんが、継続期待度変動型のST型ATとなっており、上位モードへ持っていけた時の高揚感は中々のものです。
ボーナスはあくまでも出玉の契機でしかないので、ボーナスというよりは出玉の増えるチャンスゾーンといった立ち位置ですね。
最近はエウレカ3のような比較的出玉感のある疑似ボーナス機もありますが、この台は純増枚数も然程多くはない事もあって、ある意味5号機AT機ライクな疑似ボーナスとも言えますね。
AT『サバイバルタイム&シューティングチャンス』
本機のメインとなる出玉増加区間であり、ここでループさせ続ける事が出来るか否かというのが重要となります(設定6はループしづらい代わりに初当たりが段違いなんですが)。
シューティングチャンスは10G~50Gとなっていますが、後述するロングフリーズを引いた時の挙動で言えば確かほぼほぼ10Gの選択だったように記憶しています。
ひょっとしたらストックしたシューティングチャンスは10G固定といった特徴があるのかも知れませんね。
ランクがあがると継続率がアップするスタイルは結構好きですが、いかんせん初打ちでロングフリーズを引いてしまったので、大体がストック分の消化で終わってしまったのだと思うと、本当の意味での楽しさは味わえなかったのだろうと思います。
上乗せ特化ゾーン
『超サバイバルタイム』を体感する前に『帝都燃ゆ』というアクロバティックな初体験だったんですが、『帝都燃ゆ』はこんな感じになりました。
10G中にバー揃いをさせる事が出来ればゲーム数が巻き戻るので、頑張ればこれだけで有利区間の完走がほぼ確定してしまいます。
今作でもやはり『帝都燃ゆ』はアツい仕様ですね。
ロングフリーズ
一応は設定的に期待できるかも?という状況で打ち始めるも、とりあえず6ではなさそうな挙動(設定6はチャンスゾーンやボーナスの当選率が頭抜けているので)。
これはとりあえず一回当ててヤメかなぁと思っていたら、画面がブラックアウト(したような気がしますが、よく覚えてません)。
何事かと思ったら、ムービーが流れた後に本機最強の上乗せ特化ゾーン『帝都燃ゆ』が降臨。
この時点で詳細を調べて、今のがロングフリーズだった事を把握。
ちなみにロングフリーズの恩恵は
- AT確定
- ATの継続率が16以上
- 上乗せ特化ゾーン『帝都燃ゆ』突入
といった感じで、要するにちゃんと完走させなきゃね?という性能ですね。
ここで突入した『帝都燃ゆ』で先ほどの画像にあったように23個のシューティングチャンス(要するにAT継続確定ストック)を獲得して、もうこれは完走するなと確信。
結果はこちら。
どういった仕組みなのかイマイチ不明ですが、HEY!鏡あたりと同様に枚数完走した場合でも2400枚キッチリは獲得させて貰えないようです。
大満足ではありましたが、途中で「これは流石に駄目だろ」といった面が存在していたので、その点に言及したいと思います。
内部『アタックオンベータ』の欠陥
これはATレベルがマックスまで上がった状態でサバイバルタイム&シューティングチャンスをループしている間、サバイバルタイムに復帰する段階の画面です。
準備中と出ているように、この間はベルがナビされず枚数が減ります。
最初はうっかりナビをミスったのか?と慌てましたが、慎重に画面を凝視しながら打って行った次セット冒頭でも同様にこの画面になりました。
ちなみにこれの正体が何かに気付くとわかりますが、ATレベルがマックスになっていない状況だとこの状態が発生する事はありません。
ではなぜATレベルマックス時にこのような枚数減ゾーンを経由するかですが、要するにこれは『アタックオンベータ』なんです。
シューティングチャンスで選択される可能性があるST継続率アップのチャンスゾーンですが、この状態中はベルナビが発生しないので、継続率のアップは期待できる一方でメダルは削られます。
どうやらこの台、継続率がマックスまで上がった状態でも内部的にアタックオンベータが選択される事があるらしく、そうなった場合に先ほどのような「サバイバルタイム準備状態」と称して、内部アタックオンベータを消化させられるのです。
これ以上継続率が上がる事がないのにアタックオンベータを演出として出してしまうのは流石に無いだろ…といった判断で画面上では「準備中」としていますが、要するに「絶対に継続率が上がらないのにベルナビが出ない事で枚数だけが削られるゾーン」なんです。
これは流石にダメでしょ?こんな雑な作りで世に出しちゃダメでしょと強く主張したい案件ですよコレは。
もちろん何かしら構造的にこうならざるを得なかった事情があったのでしょうけど、だからってコレは駄目ですよSANKYOさん?
というかこれは流石に「とんでもない手抜き」と見られても仕方ないんじゃないでしょうか。
恐らくは継続率マックスなんてめったに行かないのでしょうから、今回ロンフリを引いたことで見えてしまったレアな粗だったのかも知れません。
しかしレアだから許されるといった問題でもありませんので、この点は明確に問題点、パチスロとして論外とすら言いたくなりました。
『パチスロ トータルイクリプス2』感想まとめ
- タイバニで好評な継続率変動STタイプAT
- ロングフリーズは完走フラグ
- 継続率マックス時の内部アタックオンベータの仕様は論外
通常時の試行ゲーム数がそれほど多くないので、この台の通常時がどのようにつらくてどのように楽しいのかはまだ語れない部分も多いです。
とにかく強調したいのが、内部アタックオンベータの処理が本当にろくでもない事。
アタックオンベータは継続率アップの可能性があるからメダルが減るゾーンが間に挟まる事を許容できるのであって、継続率アップの可能性が万に一つもない状況でただただメダルを削られるだけの「準備中」などといった状況を用意するのはパチスロとして問題外でしょう。
もし仮に、何らかの理由でどうしてもこういった「事故」が起こるような仕様を組み込む必要性があったとするなら(そんな理由があるとは思えませんが)そこに対して何かしら明確なフォローが必要だったのは間違いないでしょう。
例えば設定推測上きわめて重要(ほぼ確定レベル)の設定示唆が出るだとか、そういった出玉以外の部分でのフォローが。
それをただ「準備中」といった表記で誤魔化してしまった(全く誤魔化せてはいませんが)のは、驚くほど無策であったと言わざるを得ません。
SANKYOさんと言えば『IS インフィニットストラトス』の件もありましたが、この台で一層個人的な信頼度がガタ堕ちしたのは間違いありません。
©吉宗鋼紀・ixtl / テレビ東京 / オルタネイティヴ第一計画
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