
事前にこの状況を予想できた人が、どれほど居ただろうか。
スマスロ北斗の拳が超稼動を見せている。
その光景を見て、どのような感想を抱くかは、まさに十人十色、いや、どちらかと言えば前提となっている「パチスロ感」によると言えるだろう。
今回は、なぜこれほどまでにスマスロ北斗の拳が大人気となり得たのか、その理由について考えて見る。
導入以来の超稼動
期待と不安の導入時
2023年4月の初旬に導入を開始した「スマスロ北斗の拳」、要するにメダルレスパチスロとして初めて登場した北斗シリーズ機である。
導入当初は順調な滑り出しを見せ、業界関係者をホッとさせた事だろう。
なにしろスマスロはそれまで、ホールの主軸を担えるような機種に乏しく、最も期待されていたであろう「HEY!エリートサラリーマン鏡」も、ささやかな盛り上がりの後、今ではすっかりゼロゼロゼロの大行列となっている。
そんな中で登場したスマスロ北斗の拳は、期待と共に不安も大きかった。
結局は鏡と大差ない結果となるのではないか、カバネリのような人気機種にはなり得ないのではないか…。
しかし、登場してしばらくすると、そんな事は全くの杞憂であった事が誰の目に見ても明らかとなった。
稼動が、落ちない。
ホールによっては立ち見ができるほどの超稼動ぶり、こんな光景はいつ以来だろうか。
直近では、台数が少なかった頃のリゼロも相当な人気ではあったが、リゼロとはまた違った熱気がスマスロ北斗の拳にはあった。
しかし、やはりそこは話題のスマスロ、そして北斗の拳という伝統的なシリーズ機種という事もあり、初動が良いことについてそれほど驚くのもおかしな事かもしれない。
4月終盤の稼動状況を見た時に感じたのは、きっとこの稼動はゴールデンウィークまでだろうなと、そこをピークに以降は厳しいのではないかと、そんな悲観的目測をしていた面は否定できない。
ゴールデンウィーク明けても保たれた稼動
では実際にどうなったかと言えば、ゴールデンウィークを明けても、スマスロ北斗の拳の稼動は大きく崩れることなく、現状のホールにおいて確固たる地位を確立したと言っても良い状況となっている。
もちろん、さすがにゴールデンウィーク期間との比較で言えば分が悪いのは当然だが、大きく落ち込む事はなく、むしろ想定したよりも遥かに粘りのある稼動状況を維持していると言えるだろう。
サイトセブンのデータを見ても、稼動状況はパチスロコーナーの屋台骨を支えるマイジャグラー5を凌駕する、まさにパチスロコーナーの主と言わんばかりの存在感を示している。
しかもスマスロ北斗の拳は、先述のリゼロとは異なり、初期導入台数も相当な台数が販売されており、ともすれば稼動割れで悲惨な状況にもなりかねない前提環境がある中、これだけの高稼動を維持しているというのは、まさに替えの効かない機種と言うべきだろう。
スマスロ北斗の拳 人気の理由
スマスロ北斗の拳が、なぜこれほどまでに人気機種となり得たのか、その理由はいくつか考えられる。
懐かしの「初代北斗」感

4号機パチスロにおいて爆発的なブームを巻き起こした「初代パチスロ北斗の拳」。
スマスロ北斗の拳は、その初代北斗をかなり意識した作りとなっており、打っている感触として、まさに「懐かしい」と思わされる要素がふんだんに用意されている。
これまでにも初代北斗に寄せた北斗シリーズ機種というのは複数存在したが、本作が最も初代北斗を感じるように思うのは自分だけではないだろう。
もちろんそのまま初代北斗ではなく、様々な点が変わってはいるのだが、初代北斗のエッセンスを最も的確に表現した北斗シリーズ機種ではないかと感じる。
そんな、初代北斗の面影に、ついつい引き寄せられるというスロッターが多いのも頷ける。
ジャグラー以外のメイン機種不在
現在のパチスロコーナーを見渡して、メイン機種と言える機種はどれほどあるだろう。
直近のヒット機種と言えるのは、「パチスロ甲鉄城のカバネリ」が代表格だが、あとは「沖ドキ!GOLD」もそれに準じる機種と言えるだろうか。
カバネリは下馬評を大きく覆すヒット機種となったが、それでもホールの主軸を担うという意味では、設置台数的に少々物足りない面もあるし、台数を増やした場合に稼動が維持できるかも問題だろう。
沖ドキ!GOLDは徐々に支持を得て、まさに「沖ドキ」としてのポジションを手中に入れた感はあるが、あくまでも沖ドキポジションの正統後継機という意味で重要なのであり、パチスロコーナーの大黒柱を担うには気性が荒すぎる。
そういった意味で、一定以上の設置台数と稼動を得て、名実ともに「メイン機種」として認定を受ける事が出来る機種を、ホール側もユーザー側も共に求めていたのは間違いなく、その椅子にスマスロ北斗の拳がスッと腰かけたような印象がある。
北斗の拳的な機種を求めている打ち手が一斉に食いついた
北斗の拳的な機種とは何か?と言えば、それは北斗の拳的な機種としか言いようがない。
これは様々な視点から言って「パチスロ北斗の拳的」であるという話であり、すべてが合致しているわけではなく、断片的に、一面的に北斗的な面があるかどうかという話だ。
例えば版権のイメージ的に、男の戦闘シーンが演出として展開されていくようなものは、北斗的と言えるだろう。
またそういったバトルの勝敗、優劣によって出玉推移が決するようなものは、やはり北斗的と言えるだろう。
あるいは通常時の内部状態があり、高確状態でエラい小役を引き当てればチャンス、というゲーム性も、やはり北斗的と言えるだろうと思うし、前兆演出を経てボーナスに当選するというのも、やはりそういった認識の範囲内にあるのではないだろうか。
このような、特に4号機パチスロ北斗の拳に思い入れがあり、またその流れの中にあるパチスロに慣れ親しんできたスロッターにとっては、こういった「パチスロ北斗の拳的機種」というものには、言い知れぬ親しみ、実家のような安心感というようなものを感じる対象となっているように思う。
今後の動向は?
4月に登場して5月一杯の稼動は合格点、いや、ほぼ満点に近いものを叩き出したスマスロ北斗の拳だが、6月以降の稼動はどうなるのか、という点に一抹の不安がないわけではない。
まず、これは致し方ない事ではあるが、さすがに導入以来続いてきた超稼動ぶりも、ある程度落ち着いてきた頃合いであるという事。
ある程度打ち込んだ結果として、それなりに満足した、場合によっては食傷気味となってしまったスロッターも、実際の所少なくはないだろう。
そんな中で一番の問題は、増台された後にどうなるかである。
5月末に増台されるホールは多く、この結果としてスマスロ北斗の拳の稼動状況がどうなるのか、これについては率直に言えば少々不安を感じずにはいられない。
もちろん、増台前の段階で立ち見が出るほどの超稼動を見せているホールであれば、増台する事に躊躇する必要はないだろう。
しかし、そろそろ空台も普通に見られるようになってきたタイミングでの増台というのは、下手をすると折角の人気機種を、ガランとした空台だらけの島風景を見せつける事で、急速に冷めさせる事態を生じないとも言えない、かなりのリスクを伴う行為であるのは否定しようもない事実であり、それは歴史が証明している。
5月末の増台を経てスマスロ北斗の拳がホールにおけるメイン機種の立ち位置を確固たるものにするのか、それとも供給過多で急速にシャッター街化するのか、6月のスマスロ北斗の拳に注視して行きたい。