もう少しすると新たなパネル「双子パネル」を引っ提げて増台される『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)ですが、これで相当な台数が市場に放たれる事になりますね。
最早間違いなく当面の6号機をけん引して行く台である事は疑いようのない状況ですが、台数が増えると特定日だけじゃなく通常営業でもそれなりの配分にしておこうとするホールさんも結構あると思うんですよ。
今日はそんな時にどんな設定配分が良いだろう?というお話です。
通常営業で設定4は逆効果?
リゼロの出玉率はメーカー発表値としては
設定1 | 97.4% |
---|---|
設定2 | 99.0% |
設定3 | 101.0% |
設定4 | 103.9% |
設定5 | 108.0% |
設定6 | 113.3% |
こんな数値になっています。
しかしホール実戦値では、高設定域はこの数値から1~3%ほど下がります。
設定4で103%、設定5で107%、設定6で110%程度といった数値が出ています。
こうなってくると、設定6はともかく設定4は平常営業でも普通に使えるレベルと言えます。
しかも偶数設定で456確定も出てくれるとなれば、あわよくば設定6と勘違いして粘ってくれないかな?なんて事を思ったりもして店長が設定4を使いたくなる気持ちは良く分かります。
しかし、個人的にはちょっとまった!と言いたい気分なのです。
何故かと言えば…
設定4は基本的に打っててツライ
リゼロの設定4がどんな台かと言えば、要するに「白鯨攻略戦に勝ちにくい設定6」みたいなものです。
白鯨攻略戦の初当たりに関しては、設定6の次に500G前半を抜けにくい(モードA天井を食らいにくい)という特徴があるので、何となく低設定ではなさそうな雰囲気を醸し出してくれます。
しかし、そこそこ当たる白鯨攻略戦がまぁ勝てない、設定6なら全然勝ててるのに…なんて思いながら白鯨攻略戦を5回6回と負け続ける展開が設定4では普通に訪れます。
そしていざ、ようやく訪れた勝利の時!きつい白鯨攻略戦を突破した先にあるATゲーム数決定ゾーン「おねだりアタック」、これを心待ちにして勝てない白鯨攻略戦を頑張って来た、そこで手に入れたゲーム数は…45G。
こんな事が設定4を打っていると多々訪れます。
詳しい振り分けは不明ですが、恐らく設定4はATの性能自体は設定6と同程度なんじゃないかと思われます。
それでいて設定6と比べてかなり白鯨戦に勝てないのです。
となると、高設定の短所として分かりやすく語られる要素である一撃性の無さが一層目立ってしまう。
設定6の場合、それをカバーしているのはAT初当たりの軽さなんですが、設定4にはそのメリットが不足しているんです。
割とツライ思いをして勝ち取ったATが400枚に満たない枚数で終わってしまう、設定6ほどATがお手軽に手に入らない設定4だと、この点が殊更つらく感じられるのです。
ちょっと苦しくてちょっと楽しい<すごく苦しくてすごく楽しい
設定4は長い目で見ればホール実戦値の出玉率103%なりに、ちょっとずつ勝って行ける設定だと思います。
ただその印象は、低設定に比べればツラさは相対的に少ない一方、ATに当たっても低設定ほど跳ねない、ローリスクローリターンといった感じでしょう。
しかしそういった印象ってパチスロとしてはあまり良いモノではありません。
基本的に多くのスロッターは、たとえ苦しい瞬間を味わう事が多かったとしても、その先にある快感が強烈であればあるほどその機種への執着が強くなるもの。
自分自身、なにかと理由をつけて白鯨攻略戦に挑みたくなるのは、低設定でATを射止めた時の爽快感をまた味わいたいと思うからに他なりません。
設定4はユーザーにとって負けにくい(長い目で見れば勝てる)代わりに一瞬の気持ちよさを味わいにくい代物なので、設定4をまた打ちたいと思う人は非常に少ないんじゃないかと思われます。
ホールにとっては当然、低設定を入れるより設定4を使う方が儲からないので、言うなればユーザーへのサービスとして設定4を使うわけですが、それを有難がるユーザーが果たしてどれほどいるでしょう。
設定ごとに性質の変わらない機種であれば、当然低設定よりも中間設定の方が喜ばれるのは間違いないでしょうが、リゼロのような機種の場合、中途半端な設定が歓迎されない可能性は大いにあります。
設定4ばかり打ってるとリゼロが嫌いになる
ここまで語って来たように、リゼロの設定4は打っていてキツイんです。
モードA天井を食らう事が少ない代わりに1000枚以上の差玉もでにくいので心の拠り所(ATに当たりさえすればさくっと1000枚ぐらいは行ける)もなく、つまらないと言われやすい通常時が尚の事つまらなく感じられる。
しかも時にはちょっと設定6を匂わすような動きをしてしまうから止めづらく、なんとなくズルズル打ち込む事も。
そんな感じでリゼロと接していると、リゼロが嫌いになってしまうユーザーが増えるんじゃないかと心配になります。
低設定はモードA天井に持っていかれる割合が高い代わりに、そこで白鯨攻略戦を攻略出来さえすれば2400枚も現実的に期待できます。
さらには低設定らしき台はヤメ時も明確なので、白鯨に勝とうが負けようが、ある意味スパっと止める事が出来るのも精神衛生上良い所ですね。
そんなリゼロ(の低設定)らしい挙動を期待して打ち始めたユーザーに設定4を提示して喜んでもらえるかは、正直かなり疑問です。
設定4を使うべきタイミング
じゃあリゼロの設定4は常に使うべきではないかと言えば、そんなことはありません。
リゼロの設定4を大いに使うべきタイミングは、やはりユーザーが設定に期待して打ちに来る特定日でしょう。
先ほどはリゼロの低設定を覚悟して打ちに来ているユーザーに設定4を提供することに疑問を呈しましたが、設定6を狙いに来たユーザーに設定4を提供する事は非常に良い運用だと思います。
設定4は短期的に見れば設定6らしき動きをする事も多々ありますし、偶数設定確定演出や4以上確定演出なども出てくれるので、設定6をツモりにきた打ち手を長く安く台に縛り付けるには持って来いでしょう。
設定6を狙いに来ている以上、一撃性のないATは覚悟の上でしょうから、存分に設定4を味わって頂きましょう。
もちろん設定4と設定6にはそれなりの違いがあるので、それを悟られれば止めてしまうでしょうが、なんだかんだ言って4以上確定演出などが出ていると止めづらいという心理も働くので、案外動いてくれる可能性の方が高いでしょう。
通常営業では設定4より設定5か設定6を
これはリゼロに限った話ではありませんが、設定の使い方として自分が強く主張したいのは、「ユーザーが期待している状況では比較的メリハリの少ないベース高めの配分」にして、「ユーザーが期待していない通常営業ではメリハリ型の配分」にした方が良いという事です。
人が集る状況なら、稼働マジックで何とかなりますし、ライトユーザーを集めて囲う意味でもメリハリ型よりも全体的なベースを高めるような配分が良いでしょう。
対してユーザーが期待していない通常営業時に関しては、中間設定なんて使っても分かって貰えませんから、ベースを上げてもホールの評判や集客的には報われない可能性が高い。しかし例えば通常営業で設定6確定演出なんかが出た場合、それは非常に鮮烈なインパクトをユーザーに与えます。
例えば平常営業だと客入りが悪いようなホールでリゼロを打っていたら、まさかの設定6確定演出が出現したような場合。「この店、平常営業でリゼロに6使ってるのか!」といった驚きは、ユーザーのそのホールに対する評価を上げる上で極めて効果的なやり方でしょう。
特定日に設定6が入っていても「当たり前」というぐらいの認識にしかなりませんが、何もないような平常営業で遭遇する設定6には別格の存在感がありますからね。
是非とも通常営業ではメリハリ型、特定日はベースアップ型でお願いします。
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
©Daito