
最近『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)の推定4を腰を据えて打つ機会がありました。
以前は「設定6じゃなきゃ打ってられない!」なんてノリで簡単に捨てていたリゼロの4ですが、最近じゃめっきり見かけなくなった(そもそもあまり稼働してないですが)ので、久しぶりに腰を据えて打つか―と思った次第です。
腰を据えて打つと言ってもほんの5時間程度ですが、そこで感じたのは「リゼロってやっぱり面白いんじゃ?」という事。
リゼロ以降の高純増一撃特化AT機を経て…
リゼロの大ヒット後、大都以外のメーカーからも6号機ならではの高純増AT仕様を搭載した機種(純増5枚超)が次々と登場しました。
代表的な所で言えば…
- 北斗の拳天昇
- ルパン三世イタリアの夢
- 青鬼
あたりになるでしょうか。
これらの機種をそれなりに打ってみて改めて感じるのは、リゼロの「塩梅の良さ」です。
何がどう良い塩梅なのかと言えば色々あるのですが、リスクリワードの比率が適切だとか、精神衛生的にスッキリと止められるといった点が大きいのだろうと思います。
ちなみに直近での稼働実績(過去30日の平均回転数)をサイトセブンのデータで見てみると…
- リゼロ:1175
- 北斗天昇:1001
- ルパンイタリア:460
- 青鬼:1291
といった実績となっています。
青鬼は希少性と低設定の一撃性が評価されている部分があってバラエティーコーナーの住人として台数を増やしている印象ですが、リゼロもそれと同程度には動いているんですよね。
印象的なのは北斗天昇がリゼロよりも動いていないという点、設置台数の兼ね合いも当然あるんですが、個人的にも北斗天昇は打っていても倦怠感が強いなと感じています。
ルパンイタリアに関してはまぁ…。
いやしかし、この数字だけ見ても普通の人は横の比較(リゼロの方が北斗天昇より動いているなど)はともかく、縦の比較(過去の稼働と比べて今の稼働はどうかなど)は出来ないと思いますけど、リゼロがまだ人気機種扱いだった頃には軽くこの3倍ぐらいは当然のように稼働していましたから、随分と落ち込みましたね。
ちなみに現状一番の稼働を誇る「マイジャグラー4」は過去30日の稼働が3747となっています(ルパンイタリアの8倍!)。
しかしこの数値ですら累計平均稼働に比べるとやや落ちているので、やはりコロナ後のパチスロ離れが少なからず影響している事を強く感じます(それが無くても先述の機種達の稼働は悪いでしょうけど)。
「リゼロ」のココが良い
低設定や最大天井なら一発逆転もありえる
リゼロの高設定(特に設定6や設定4)は5号機ノーマル機のビッグに毛が生えた程度のAT獲得枚数を小刻みに繰り返すスランプグラフを形成することで有名ですが、一方で低設定に関してはAT初当たりが重い分だけ一撃特化な性能を有しており、とりあえずATさえつかみ取れば1000枚程度は獲得できるという強みがあります。
この性能は、天井狙いで打つようなケースはもちろんですが、それ以外にも高設定狙いをした結果(恐らくは)高設定ではなかったと判断するような場合、止める前最後の白鯨攻略戦に勝てるかどうかで収支が大きく変わって来るというゲーム性すら提供してくれています。
普通は高設定を狙いに行ってスカった場合というのは、低設定を長々と打ってしまった事への気怠さが大きくて、やめる時も何がどうといった事ではなくそそくさと撤退する事になるわけですが、リゼロに関しては止めの判断をするその最後に、ATをつかみ取れるか否かという部分には自然と力がこもります。
実際問題、非等価地域においては持ち玉を持てる事が大きな意味を持ちますから、その台を止める段階で1000枚程度の持ちメダルを確保できるか否かでその後の行動も変わって来るというもの。
そういった意味もあって白鯨攻略戦は常に手に汗にぎる事になります。
設定4や設定6に関しても、「ここの白鯨攻略戦を仕留められるかどうか!」という場面が少なからず有り、通常Aに滞在している時の白鯨攻略戦で頑張れるか否かが特に設定4を打っているような時には重要となってきます。
そうしたゲーム性をしっかりと提供してくれているので、「生き地獄」のように思われがちな設定4も意外と楽しく打てるものだなと最近の稼働で再認識しました。
白鯨攻略戦の匙加減
「〇回〇〇%の継続率を突破すればAT」という仕様は5号機の聖闘士星矢ポセイドン譲りのものですが、ここでの見せ方や打ち手に対するストレスのかけ方、その開放の仕方なんかは流石は大都といった所でしょう。
北斗の拳天昇ではより自力感をアピールした形の形態をとりましたが、自力感というのは匙加減を間違えると打ち手に大きなストレスを与える事になります。
北斗の拳天昇の場合も「自力感満載で楽しい!」というよりは、「リプレイ以上を引けなかった時の絶望感がつらい」といった感想の方が目立ってしまったように思います。
白鯨攻略戦は優劣の見せ方が上手くて、ダメかと思わせた展開で突破する事もあれば余裕で見ていたパターンで負ける事も一定割合でありつつ、それでもある程度は法則を把握できるという絶妙な匙加減だと感じます。
やめる時のサッパリ感
ここが非常に重要な点なんですが、「青鬼」は別として「北斗の拳天昇」や「ルパン三世イタリアの夢」に関しては、やめる時にグッタリした状態でやめる事が少なくありません。
というのも、北斗であれば600G以上での激闘ボーナスで敗北後は止めるのが惜しい(次回は200G前半までに当たる)ので継続せざるを得ませんし、ルパンに関しても有利区間ランプ消灯せずに継続してしまうとやはり止められないという事になりますが、継続したところで出玉を確保できる保証はないわけです。
保証がないという点ではリゼロに関しても同様のケースが多々あるのですが、リゼロの場合は良くも悪くも「それなりに期待できる状況でしか有利区間が継続しない」という性質があるので、北斗やルパンのように散々追った挙句に持ち玉を確保できずに撤退というケースは比較的少ないんですよね。
特に天井狙いで打つ場合は、リゼロの有利区間継続パターンで(低設定なら)追わない方が良い「200G前半での白鯨攻略戦敗北からの有利区間継続」というパターンに遭遇する事が少ないので、そういった意味でもスッキリと止める事ができる点が割と重要なメリットであると感じます。
このスッキリさを突き詰めたのが青鬼だともいえるので、青鬼は結構好きです(天井狙いで打てる事は稀ですが)。
設定判別の容易さ
リゼロの強みであり弱点でもある「設定6が分かりやすい」という仕様ですが、これはやはり大きなメリットとして受け止めたいと思います。
リゼロのように一定のルーチンをこなすだけで、割と簡単に低設定を棄却して高設定(特に設定4or6)に狙いを絞りやすい台というのは、ホールにとっては中々厄介な代物でしょう。
事実この台の設定6がどういった挙動をするかが広く周知された結果、設定4ですらあっさりと捨てられてしまうような状況が出来上がったわけで、ホール側の苦労はお察しします。
しかしこれに関しては、個人的には「これぐらいで丁度良い」とも思っているんですよね。
「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです」なんて言っていますが、適度に楽しむ遊びであるならアッサリと数万円が溶けるような状況というのはそもそもオカシイわけです。
打ち手はそれ相応のリスクを負っているわけですから、それを考えるならリゼロ並みに設定判別が容易である事はむしろ適正なバランスだともいえるんじゃないかと思うワケですよ。
言ってしまえば、「ベタピンでもゴリゴリ稼働してくれる台」なんてものがホールを甘やかし過ぎなわけで、リゼロぐらいには打ってもらうのに苦労する仕様が普通であって然るべきではないかとすら思います。
リゼロは打ち手が比較的若い事もあって設定判別感度が高い事も影響しての「設定6しか動かない」という状況が成立したと思いますが、そういった打ち手の反応は極めて当たり前の事だったと見るべきでしょう。
とは言え、リゼロは過度に「設定6が丸わかり」だと思われ過ぎているというのも確かなんですけどね。
一時期は設定6や設定4を運よく多数打てていた経験から言えば、設定6が設定4のような動きをする事も最初の数セット(有利区間開始から終了まで)であれば普通にありましたから、リゼロの6挙動のイメージが強すぎて、序盤でそれにがっちしない動きをすると設定6でも捨てられてしまうという事が普通にあったのはリゼロの運用をより難しいものにした事でしょう。
しっかりと出現する設定示唆
設定判別の容易さに拍車をかけるのは、設定確定要素が割と普通に出現する点ですね。
特に有利区間リセット時のコンビニステージでのお釣り演出やAT・白鯨攻略戦終了画面はかなり強く、一日ベッタリ打って設定6確定演出が一つも出現しない事の方が珍しいような感じでした。
こういった確定要素の出やすさは賛否両論あるでしょうし、個人的にはどちらかと言えば否定的なんですが(後ヅモしづらくなるので)、ある意味では初心者に優しい仕様だともいえるので、これはこれで良かったのではないかとも思います。
パチスロの高設定狙いを始めた当初というのは、やはり自分が打っている台が本当に高設定なのかという点に確証をもてない事も多いと思うので、こういった確定要素で答え合わせが出来るというのは、特に設定狙い初心者にとっては有難い仕様でしょう。
今ならリゼロの設定4でも動く…かも?
リゼロ全盛期の頃は設定4があっさり捨てられるような状況でしたが、ホール状況が色々な意味で苦しくなって来た昨今においてはリゼロの4ですら打ちたいという人も以前よりは増えているんじゃないでしょうか?
さらに言えば、リゼロフォロワー機種を打ち手も経験してきた事で、「なんだかんだリゼロって悪くなかったよな」といった感想になっている人も増えているんじゃないかという印象も(若干ですが)あるんですよね。
基本的には意地でも当たらない有利区間リセット後200Gだとか、アイテムを集めるぐらいしかやる事のない通常時だとか、そういったネガティブな面が今なら受け入れられる…かも知れません。
ルパンイタリアを打った後にリゼロを打つと、ビックリするぐらい楽しく打てます。
現状のリゼロに足りないのは設定的な期待感です。
放っておいてもベタピンで動いてくれるような機種に比べれば当然扱いづらい機種ですが、数年後には「リゼロですらマシだった」といった状況が訪れている可能性もありますので、「設定使いの訓練」だと思ってあえてもう一度リゼロに向き合って見るようなホールさんが増えてくれることを密かに期待しています。