パチンコ屋(ホール)営業の理想像【イベント・特定日・煽りの必要・不要】

新台入替

全国的にイベント規制が敷かれてもう何年経つんでしょうか。

昔は所謂「イベント」というものが全国的に開催されていて、それこそ毎日何かしらの機種やらコーナーやらが煽られていたように思います。

今ではそこまで露骨な事は出来ない地域が大半でしょうが、そんな中でもなんとかお客さんを呼びこむために、あれやこれやと手を変え品を変えアピールしている店もありますね。

しかし実際のところ、あるべきパチンコ屋の営業とはどういった状況なのか、というのを今一度考えなおしてみる時期なんじゃないかと思うのです。

特定日(日付末尾、来店取材など)の良し悪し

日付の末尾〇はこの店のイベントデーといったタイプは、以前の名残を引き継ぐ形で継続している現状最もメジャーな特定日の種類ですね。何か特別な打ち出しをすることなくお客さんが勝手に期待してくれる状況が成立するので、ホールにとって有難い存在ではあります。

それと並ぶメジャーな特定日として、所謂来店取材的なものがあります。誰々が来るから今日は期待できるのではないか…とお客さんに認識してもらう事で成立する広告方法ですが、純粋に出玉を期待するお客さんだけではなく、その来店者が有名である場合には当人のファンが出玉度外視で遊びに来てくれたりする事もあるようですね。最近は一部地域を除けば来店取材に対する規制が強化された事で以前ほど存在感を発揮しなくなってきているようですが。

こういった『特定日』という存在は、集客機会を得たいホールにとっては有難い存在である一方、その弊害や副作用というものも少なからず存在しており、言うなればそれは「薬物的存在」とも言えます。

前後日の稼働

特定日がある事によって当日は普段の何倍も集客出来たとして、問題となるのはそれ以外の日付、とくにその前後ですね。

特定日前後の日付における稼働が弱くなりがちであるというのは、特定日を持つ多くのホールが抱えている問題点でしょう。

それを改善するためにホールによっては特定日をやや控えめな扱いにしつつ、前後の日付へユーザーを誘導しようとする試みが多く行われています。

しかしそういった事が成功したケースというのはかなり稀ではないでしょうか。

というのも、特定日前後を強化しつつ特定日は控えめにとすると、特定日に期待してきたユーザーにとっては「期待外れ」な状況が出来上がりやすい訳です。

そうなると肝心の特定日自体に対する信頼度が低下するので、いくら前後の日付で頑張ったとしてもそれがユーザーに伝わるよりも「特定日すら期待できない店がその前後に期待できるわけがない」といった認識を強く持たれてしまう可能性の方が高まります。

さらに言えば、そういった施策に気が付くのは一部の上級者だけとなりやすく、コアなユーザーはその点に気付いてくれるかも知れませんが、(ホール的に本当の意味で囲い込みたい)よりライトなユーザーの心象を悪くしてしまう可能性が高まります。

そうなるとやはり特定日に頑張るのが得策であるという結論に至り、結果的に特定日だけが突出した稼働をしつつ前後日がガラガラ、こんなホールが全国に多々存在しているのではないでしょうか。

出玉の配分

特定日に出玉資源を集中させるという事はつまり、相対的に見れば他の日にその分の出玉を回収するという事になります。

しかしそういった特定日というのは、普段そのホールに通っているユーザーとは毛色の違った客層が多くなるようなケースも多いと思います。

そうなると結果的には、「常連客から回収した出玉を特定日にだけくる客に放出する」ような状況が成立してしまうのです。

そういった状況というものに不満を感じる常連客も多く、店員さんに文句を言う人も少なからずいます。

文句を言いつつ通ってくれているうちはまだ良いですが、そのうち愛想を尽かされて他所の店に通うようになってしまう事も多くあります(近隣に競合店があるパターンなら特に)。

そうなると普段の稼働減によって利益の出し所を失った所で特定日にも頑張れなくなり(むしろ特定日に回収するようになる)、結果特定日もガラガラ、他の日はもっとガラガラという寂しい状況が成立する事になってしまうわけです。

新台入替の扱い

「昔の新台入替はお祭りだった」という話を歴の長いパチンコパチスロユーザーの話で聞いた(読んだ)事のある人も多いでしょう。

自分自身はそこまで長い歴ではないので本当の意味での「お祭り」な状況の新装開店といった状況に立ち会った事はないのですが、昔はそれこそ台を確保できればほぼ勝ち確といった状況もあったようですね。

今の新台入替が昔のようにならない理由はいくつもあるのですが、個人的にはそこまでのお祭りにする必要はないと思っています。

重要なのは需要と供給のバランスです。

パチスロの場合で言えば…

例えば新台入替で台を開放したのに誰も打たないのが当たり前の状況なら、初日から高設定を投入するべきでしょう。

例えば新台入替で台を打ちたい人が入替台数の何倍も集まるような状況であれば、初日は少し控えめにするのも良いでしょう。

そういった需要と供給のバランスを見つつ、さじ加減をしていく事が何よりも重要です。

一番まずいのは、「この店は新台入替初日には絶対に高設定を投入しない」と広くユーザーに認識されるような状況となる事なので、そういった状況にならないようにする事が大切ですね。

パチンコの場合は釘の扱いに関する問題があるので少々難しい所ですが、設定付きパチンコに関してはパチスロと同じように考えてバランスを取る必要があります。

ただこれらを実行する上で大きな問題となるのが「新台の価格」という事になるわけで、高い新台を購入したのだから初っ端から回収しなければ…と考えるホールの気持ちも良く分かります。

個人的にパチンコやパチスロの新台価格は20万円程度になるように業界全体で調整していく必要があるというか、そうでもしないと「新台入替=即回収営業」という常識を覆す事は無理だろうとも感じます。

しかもそれは資金力のある大手ホールよりもギリギリの営業をしているような中小ホールの方が負担が大きい問題なので、ある意味で大手が「新台入替=大盤振る舞い」といった事を始めると中小ホールは全く歯が立たなくなるのでは?とも思います。

現状出来る事としては、厳選したラインナップの導入(新台の目利き)と需要に合わせた適切な運用(抜き過ぎず出し過ぎず)といった事に帰着するのでしょうね。

強いていうなら、特にパチスロは他所が入れない(あるいは台数が少ない)台の中で光るものを見出した台をあえて比較的強気に押していくという事は意識的に実行してもらいたい事ではあります。

最近で言えば、オーイズミの『オバスロ アインズ・ウール・ゴウン絶対支配者光臨』(パチスロ オーバーロード)は導入台数の少なさも手伝って6号機としては比較的良好な稼働をみせており、これを導入したホールの選定者は「良い目を持っていた」と言えるのでしょう。

理想のホール営業

個人的に思う理想のホール営業とは以下のような感じです。

  • 特定日はナシ
  • 人が多いタイミング(休日など)ではやや利益率を高める(とは言え極端な差は付けない)
  • 換金ギャップはアリ、貯玉再プレイは上限アリ(パチンコなら40玉交換で再プレイが5000玉/日ぐらい)
  • 新台入替が唯一のアクセント
  • 日頃から打ち手が気付くような変化(メリハリのある設定状況など)を付ける
  • 居心地の良い遊戯空間(台間隔、椅子の高さ、ひじ掛けなど)

こんな所でしょうか。

外に対する打ち出しをするのは新台入替のみ、それなら普通に外へ向かってアピールも出来ますからね。

それ以外の状況では煽りを行わず、けれども確りと「勝てる台」を用意しておく事が重要です。

「今日は沢山出しますよー高設定入れますよーだから並んでくださいねー抽選受けて下さいねー」といった日を用意する事による集客が、結果的にホールを蝕んで行く事は多くのホールが理解していると思います。

それでも止められないのは、たとえ一時的にであっても人が増えるという誘惑と、それ以外にどうしたら良いか分からないという本音からでしょう。

上で挙げたような営業は難易度が高いのは間違いありません。

ただその分、確立できた場合の堅牢さは特定日依存型の比ではありません。

言ってしまえば「楽に集客」をするために特定日を活用しているホールが多いと思いますが、本当の意味で「楽な営業」を目指さなければいけないタイミングなのではないでしょうか。

12月の5号機大量撤去時はホールの取る戦略に結構な多様性があると思われるので、どの台を代わりに入れるかだけではなく、どのような営業を志向していくかといった所にも注目したいと思っています。