『いろはに愛姫』が変則的な仕様になった理由を予想してみる【押し順設定判別システムと6号機A+ARTの限界】

いろはに愛姫特徴

押し順の偏りによる設定判別とその機械割が注目されがちな『いろはに愛姫』ですが、個人的には純粋にパチスロとして好みな台だったりします。

やはりA+ARTは良いなと、そんな思いを先日腰を据えて打った時に再確認しました。

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いろはに愛姫ナオエ決戦ボーナス

そして更に考えを巡らせていくと、この『いろはに愛姫』という台が何故こういった仕様として世に送り出されたのか、その点に合点がいくような気がしてきたんです。

「押し順の偏り」以外は非常にオーソドックスな仕様

本機はとにかく設定左・中・右という存在、そしてその機械割104%に脚光があたりがちですし、実際その点は非常に画期的な部分だと思います。

しかし実はそれ以外の仕様については、非常にオーソドックスなA+ART的な作りとなっている点がもっと注目されても良いんじゃないかと、個人的にはその点を強く主張したい所です。

というのも、こういったA+ART的な台というのは6号機としては非常に作りにくい仕様なんです。

何故かと言えば、6号機は5号機と比較して短期出玉率や中期出玉率といった点での締め付けがきつくなっているからです。

要するに、リアルボーナスを搭載しているような台の場合、ボーナスの即連によってポコポコとメダルを増やして行けちゃうような仕様を実現するのが非常に難しい規則になっているんですよね。

例えばリゼロや北斗天昇、ルパン三世イタリアや最近なら青鬼など、あの手の超高純増AT機でお約束のように有利区間リセット後の数百ゲーム間がほぼAT無抽選に近い状態となるのも、即連によって一気に出玉を吐き出すような事にならないための苦肉の策というワケで。

そんな6号機でリアルボーナスを搭載したA+ARTを出すというのは、それだけでも凄い事だと言うべきでしょう。

そんな凄い事を実現しているのが、実はこの『いろはに愛姫』なんです。

『1000ちゃん』よりも圧倒的にA+ARTしてる

『パチスロ1000ちゃん』は厳密に言えばA+ATでしたが、目指していたゲーム性というのは正にA+ART的なものでした。

1000ちゃんもアレはアレで悪くはなかったと思いますが、ボーナス消化の圧倒的遅さやAT消化中の爽快感の無さなど、やはり色々と大目に見ないと打っていられないというのが正直な感想としてありました。

それに比べるとこの愛姫は、ボーナスの純増がマッタリしていたり、ARTの純増が0.3枚という数字である点に物足りなさを感じる人は少なくないのでしょうが、個人的には良くもまぁ6号機としてこれだけ確りとA+ARTをしている台を作ってくれたものだと、非常に関心しました。

たしかに5号機中期以降の尖った出玉性能を有していたA+ARTに比べれば非常にマイルド、言うなればRT機と言った方が良い出玉推移を見せる台ではありますけど、そこがまた自分好みな部分でもあるんですよね。

かつて5号機中期ごろに差し掛かったころ、5号機初期を彩ったRT機というジャンルがART機の波に晒される中で駆逐されていった経緯がありましたけど、この台を打っているとそういったRT機達の残滓を感じずにはいられません。

「そうそう、これでいいんだよ…増えないまでもとりあえず減らない(A)RTで粘っている間にボーナスを叩きこむゲーム性が良いんだよ」なんて事を思いながら打てるのが最高に楽しいんです。

A+ARTのスペック的限界が106%?

6号機規則に沿った台づくりの限界というものがどういったラインに設定されているのかは完全に門外漢なのでわかりませんが、ひょっとしたら愛姫の設定6(106%)ぐらいが割と現実的なA+ARTのスペック的限界だったりするんじゃないでしょうか?

A+ATの1000ちゃんはもっと高い機械割を実現できていますが、あちらは打感として多少大目に見てもさすがにA+ARTを彷彿とさせる…と言うのは無理があったように思いました。

それに比べて愛姫はちゃんとA+ARTをしてくれていると感じるので、恐らくその差が106%という数字に表れているのかも?なんて思ったりもします。

低スペックゆえの変則仕様?

もしこの台の仕様で6号機の検定を通過させようとした場合の機械割が106%程度になってしまうという事だったとするなら、ひょっとしたら本機の変則的な仕様(押し順の偏りで設定判別)はそれをカバーするために後付けで用意された仕組みだった可能性もあるんじゃないでしょうか。

つまり、いくら6号機でA+ARTを実現させようというチャレンジングな試みだったとしても設定6が106%しかない仕様ではまともに打ってはもらえないだろうことは容易に想像できます。

となれば何かしら打ってもらえる理由を付け加えなければいけない、となるとやはり思い浮かぶのは「設定6はショボいけど設定1は激アマ」というスタイルです。

マックスの期待値が低い代わりに低設定が非常に甘い、これなら打ってもらえる可能性が高まります。

そしてその「甘さ」を実現するためによくあるビタ押し技術での介入ではなく、設定判別スキルによる介入という斬新なゲーム性を提供することで、単なるロースペック機ではない「画期的なパチスロ」として市場で受け入れられる余地のある台として『いろはに愛姫』を生み出したんじゃないでしょうか?

末永く設置されて欲しい

全国的に見れば今後は撤去が進んで行く方針なのかも知れませんが、実際問題として設置し続ける事が困難な稼動状況となってしまっているホールや地域というのは、一部のパチスロ激戦区(稼働も客層レベルも高い地域)に限られるんじゃないでしょうか?

甘い甘いと言われている中でも普通に全然稼働していなかったり、あるいは夕方から押し順判別をしつつ打ち始める人が普通にいるような環境も全国的に見れば多く存在しているんじゃないでしょうか。

そういった地域のホールさんにおかれましては、どうか都会の動向に左右され過ぎることなく、自分の地域・店舗では実際どうなのかという点を冷静に判断した上でこの機種の処遇を決めて頂ければと思います。

『いろはに愛姫』、面白いと思うんですけどね…。


©DAITO GIKEN,INC.