バジリスク絆2ヒットの鍵は設定4の機械割にあり【劇場版まどか叛逆に見るリスク】

バジリスク絆2top
©山田風太郎・せがわまさき・講談社/GONZO

いよいよ来週から登場する「バジリスク~甲賀忍法帖~絆2」(以下、バジリスク絆2)ですが、楽しみにしている人も多いんじゃないでしょうか。

期待しているのは我々ユーザーだけではなく、ホール関係者も「この機種がヒットしてくれないと困る!」といった意味で大いに期待している事でしょう。

そんなバジリスク絆2ですが、この台が長期稼働するか否かの最も重要なポイントは「設定4」にあると考えています。

初代バジリスク絆の設定4

「初代バジリスク絆」って妙な言い回しですが、これ以外に表現のしようがない(しいて他に言うなら「5号機バジリスク絆」でしょうか?)のでこの表現で行きます。

初代バジリスク絆は設定6のハイスペックぶりがまず客寄せ的な意味で大きな意味を果たしていました。

しかし当然の事ながら設定6をポイポン使っているわけにもいかないので、ホールには多くの設定2と設定4が投入されていましたね。

なぜそうなるのかと言えば、いまではすっかりお馴染みとなったバジリスク絆方式の奇数偶数示唆要素があるからです。

BCの色振り分けが奇数設定(設定1は除く)なら青BC寄り、偶数設定なら赤BC寄りという事で、ある程度奇数か偶数かの判断は付けられるという特徴がありましたからね。

こういったボーナスの色振り分けで奇数偶数を判断させる機種は過去にもありましたが、バジリスク絆より前は「初代エウレカセブン」などで採用された、「奇数設定ならA色、偶数設定ならB色、ただし設定6だけは均等配分」といったスタイルが一般的でした。

バジリスク絆スタイルの強みは、設定2や4(つまり偶数設定)を打っている時に設定6がユーザー目線で視野に入りやすいという点にあります。

エウレカセブンスタイルの場合だと、設定2や4だと偶数挙動が強く出てしまった場合に、「これはさすがに設定6以外の偶数設定だろう」といった判断となってしまいやすい所が、バジリスク絆スタイルだと、強烈な偶数挙動がしっかりと設定6の期待度をも押し上げてくれるんです。

設定1or6といった見方をするならどちらの方式も大差ないと思いますけど、設定6を餌に中間設定を動かしたいと考えた場合には、バジリスク絆スタイルの方が理にかなった見せ方だと感じます。

まぁその分、バジリスク絆スタイルだと設定5が動かないんですけども…。

初代バジリスク絆の稼働を支えたのは、設定6の可能性をユーザーの思考に残しつつ機械割的には確りと現実的な数値に抑えた設定4の存在だったのは間違いない所でしょう(もちろん設定2も重要ですが)。

バジリスク絆2の設定4

パチマガスロマガによると、バジリスク絆2の機械割は以下のような数値となっています。

設定 バジリスク絆2機械割
1 97.4%
2 98.6%
3 102.0%
4 106.1%
5 110.1%
6 112.9%

設定6の機械割は先代と比べて大幅に落ち込んでいますが、それ以外の設定に関しては先代と比べてもほとんど変わらないレベルを実現できています(設定5が2%近く落ちてますが)。

特に重要だと感じるのが何と言っても設定4の機械割で、これが106%あるというのが非常に重要なポイントでしょうね。

今回のバジリスク絆2も初代と同様に「設定6を餌に設定4を回してもらう」ことで稼働を上げる台だと思うんです。

しかしこれがもし設定4で103%程度しかないような仕様だと、「設定6の可能性も無くはないけど、設定4じゃ打ってられないからヤメ」といった判断をする打ち手が増える事で、結果的に分かりやすく設定6挙動をした台しか稼働しない状況が出来上がってしまいます。

あくまでも初代に通じた設定推測仕様だとした場合の話ではありますが、この台を長期にわたって稼働させたかったら打ち手に「設定4でもまぁいいか」と妥協させる事が不可欠です。

言い換えれば、リゼロはそれが出来なかったから設定6しか動かない状況に陥ってしまったわけですからね。

「劇場版まどか叛逆」から見る懸念材料

今最も懸念しているのは、現状公開されている機械割、つまりはメーカー発表値がどの程度実測値に近い数値であるのかという点です。

この点に関して最近のユニバ系機種で大いに心配になる前例が存在しています。

劇場版まどマギ叛逆(まどか3)は機械割がもう少し高ければヒット機種になれた

『スロット劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』は一定の評価を受ける一方で稼働は寂しい状況となっています(それでも6号機全体の中で見ればマシな部類でしょうが)。

この台最大の問題点は、設定6以外の設定が機械割的に厳しすぎるという点にあります。

上の記事でも触れていますが、劇場版まどか叛逆の機械割は発表値とホールデータで大きくズレます。

設定 メーカー発表 ホールデータ
1 97.3% 97.1%
2 98.3% 98.2%
3 100.2% 100.0%
4 103.5% 101.8%
5 106.3% 103.3%
6 111.5% 109.0%

ホールデータの数値は上記事内で紹介しているようにパチマガスロマガのコラム「サイコロ店長奮闘記」内で掲載されていたデータですが、設定1~3はほぼ発表値通りとなっている一方で、設定4~6は大きく下がります。

ホールデータ値から言えば、設定4はおろか設定5ですら打ちたくないような数値となっており、本当に設定6しか打てない様相を呈しています。

しかもこの機種も基本的には設定4or6といった状況が成立しやすい台であり、ある意味で言えばバジリスク絆2の試金石として丁度良い台だと言えます。

そんな劇場版まどか叛逆の稼働がなぜ持たなかったのかと言えば、一言で言えば「設定4がとてもじゃないけど我慢できない機械割だったから」でしょう。

設定4or6となった時に、どちらかと言えば設定6の可能性が高いと思えていれば良いですが、設定4の可能性が高いと判断した場合、この機種に関しては止めるという判断が正解であると判断する打ち手が多い事でしょう。

特に現金投資を強いられているような状況なら、101.8%の台に非等価の状況で現金を入れる事は出来ない!となります。

こうなった結果、設定6が分かりやすく設定6挙動を見せた台しか(設定狙い的なスタンスで言えば)回して貰えず、設定4が設定6のフェイクとしての役割を全く果たせていないどころか、「設定4のリスクを恐れて設定6の可能性を捨てる」ような状況すら生み出してしまったように思います。

バジリスク絆2の機械割は、もしメーカー発表値から大きな乖離がないのであれば、ある程度妥協して設定4を回して貰える数値だと思います。

しかしこれがもし、ホールデータ的には設定4で103%程度しかなかったとなったら…劇場版まどか叛逆の二の舞になる事は想像に難くありません。

一撃性よりも設定4の機械割

初代バジリスク絆に関しても、一度当たれば図太い一撃があるといった仕様ではなく、どちらかと言えばコンスタントに500枚~1000枚程度の枚数を刻んで行くようなゲーム性だったと思うので、有利区間による一撃の制限はそこまで大きな不安要素ではないかな?とも思っています。

とは言えもちろん、一撃を夢見たいスロッター心理的には物足りなさを感じるのも当然であり、そこを紛らわせてくれるような新要素がある事に期待したいですね。

一撃5000枚なんて事には絶対にならない分、毎回のATをそこそこ楽しめる仕様になってたら嬉しいんですが。

今後しばらく稼働を持たせる意味では、何と言っても設定4がちゃんと動くかどうか次第でしょう。

設定4を妥協して打ってもらえるような仕様となっているのなら、とりあえず当面パチスロコーナーの主役はバジリスク絆2になるのでしょう。

逆にそうならなかった場合は、「バジリスク3」と似たような運命をたどる可能性が高いでしょうね…。

ユニバも当然そこは意識していると思うので、メーカー発表の機械割が真実に限りなく近い事を祈っております。