パチンコ台やスロット台の型式試験・検定・認定とは?

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パチンコやパチスロにおいて新機種をホールに導入する上で必ず通る流れがあります。

それはざっくり説明すると、『保通協での型式試験』→『都道府県別の公安委員会での検定』→『ホール設置時の警察検査』です。

『ホール設置時の警察検査』は新台開放のタイミングを見た事のある人なら分かりやすいと思いますが、新台開放前に警察からやってきた検査員が書類を持ちながら台の中身を見て確認作業をしているアレです。

簡単に言えば、警察に対して「この台を設置します」と申請した通りの台が設置されているかを確認している訳ですね。

これは我々ユーザーも見かける機会があるものなので分かりやすいのですが、残りの二つは我々がその現場を見る事の叶わないものですから、いったいどんなものなのかが分かりにくいですよね。

今回の記事ではその『型式試験』と『検定』さらには『認定』といったものについて、出来るだけ分かりやすく簡単に説明して行きたいと思います。

保通協の型式試験とは?

パチンコやパチスロの新機種情報を見ていると、「試験に落ちた」とか「本命スペックが通った」なんて話題を目にする事があるかも知れません。

ここで言う「試験」というのが正にこの『型式試験』の事です。

パチンコにしろパチスロにしろ、台の仕様には一定のルールが設けられており、そのルールに沿った台でなければホールに導入する事が出来ません。

型式試験とはつまり、「正規のルールに合致した台であるか否かを判断する試験」なのです。

この試験を執り行っているのは、一般財団法人保安通信協会(通称、保通協)です。

この保通協が実施する試験を通過する事で、「ホールに設置して良い台」というお墨付きをもらうわけです。

ちなみにパチンコ台やパチスロ台には一般的な機種名とは別に型式名が存在しており(場合によっては機種名と型式名が完全に同じである事もある)、その型式名には機種名の後に特定のアルファベットなり数字なりが付随している事が多いのだが(例えば『Re:ゼロから始める異世界生活』の型式名は『S Re:ゼロから始める異世界生活A6』)これは「同じ型式名では一度しか試験を受けられない」という理由から、別スペックを複数用意しているような場合に語尾を変える事で、同じ機種名であったとしても複数回試験を受ける事が出来るという事情からである。

公安委員会の検定とは?

保通協試験を通過した台は、各都道府県の公安委員会で設置の認可を受ける事になります。

保通協試験によって「正規のルールに合致した台」である事を保証された台を、実際にホールへ設置するための許可を公安委員会にもらうわけですね。

これが各都道府県の公安委員会による『検定』というものです。

検定とは言っても公安委員会が台の性能うんぬんに対して保通協のような台の性能試験を行うわけではなく、何かよほどの理由がない限りは保通協試験を通過した台は公安委員会の検定を受ける事ができます(例外的に公安委員会の許可が下りずに、その都道府県には当該機種が設置不可の状況が成立したケースも過去にはあります)。

公安委員会の検定を通過することで、「その機種が検定を通過した都道府県において設置できる」状況となるのです。

こうして検定を通過した台をホールに販売した所で、メーカー側の役割はとりあえず終了となります。

あとはホールが購入した台を設置するするために警察へ申請を行い、その申請に基づいて警察が新台導入時に検査を行う事で晴れて我々ユーザーへ台を開放出来るという流れになります。

公安委員会の認定とは?

先述の流れで無事にホールへ設置された台ですが、この台には基本的な設置期限というものがあります。

それは各都道府県の公安委員会における検定を通過した日から3年間となっています。

この3年間を経過した台は『みなし機』という状況となり、設置し続ける事は可能であるものの、修理などは出来ない状況となります。

『みなし機』というのはつまり、過去に検定を通過しているので正常な台であると「みなして」設置を許可する機種という意味合いでしょう。

しかし『みなし機』は修理が出来ませんので、台のどこかが故障してしまったが最後で撤去するしかなくなります。

しかしホールとしては人気のある機種は可能な限り長く設置しておきたいですし、ユーザーとしても少しでも長く打っていたいですよね?

そこで公安委員会では、検定から3年間(これを検定期間と言う)以内に申請をする事で、検定期間の3年間にプラスしてさらに3年間を正規運用期間として延長できる措置を用意しています。

これが公安委員会による『認定』というものです。

検定期間が終了するタイミングで申請機種が正規運用可能である事を検査する事で、晴れて検定期間終了から追加で3年間を認定期間として正規運用できるようになるのです。

このように、認定という制度を利用する事でパチンコ・パチスロ台は合計6年間は正規の運用期間としてホールに設置しておくことが可能となり、その期間内であれば台が故障した場合にも修理を行う事が出来るのです。

ちなみにこの認定期間も終了した台は例外なく『みなし機』となり、追加の認定措置のようなものは存在していませんので、この状態にまで達した台は否応なく故障した場合は撤去するしか選択肢がなくなります。

6号機時代初期のは5号機『みなし機』の設置が認められていない

認定についての説明中で、『みなし機』について触れましたが、6号機規則がスタートしている現状のパチスロにおいては5号機のみなし機は設置が許可されていない状況となっています。

つまり現在設置されている5号機はみなし機になった瞬間(検定期間や認定期間が終了した段階)でホールから撤去する必要があるのです。

仮に6号機時代が訪れていなければ、『初代まどマギ』も『バジリスク絆』も『アナザーゴッドハーデス』も『みなし機』として設置し続ける事が出来たのですが、こればかりは台を作る上でのルールが大幅に変わってしまったので、過去の検定通過を理由に正規運用できる台と「みなす」事ができないという事ですね。

現状は時代の境目(5号機末期であると同時に6号機初期)となっているので少々ややこしい話になっています。

パチンコも年内に『みなし機』は撤去

パチンコの方も年内にはみなし機を撤去する方針となっております。

パチンコも新しい規則へと時代が進んでおり、旧規則で作られた機種については『みなし機』としての設置を許容できないという事のようです。

こればかりは致し方ない問題ですのでユーザーとしては受け入れるしかないのですが、やはり寂しいものですね。

新規則に沿った台(P型式)で目立ったヒット機種が表れていない現状ですから、旧規則機種が減っていくのはホールにとっても大きな痛手でしょう。

型式試験・検定・認定についてのまとめ

要約すると以下のようになります。

  • 保通協により型式試験が行われ、適正な台か否かを判断される
  • 保通協試験を通過した台を公安委員会の検定で通過させる事によりホールへの設置を許可される
  • 公安委員会の検定を得た台を検定期間が経過した後も正規運用したい場合には申請を行う事で認定を得て更に3年間を認定期間として運用できる
  • 検定期間中に認定申請を行わなかったり認定期間を終了した台は『みなし機』となる
  • 『みなし機』そのまま設置しておくことは可能であるが、故障した場合には修理を行う事が出来ず撤去しなければならない

みなし機の扱いについては今が時代の節目である為にややこしい事になっていますが、基本的には上記のようになっています。

パチンコにしろパチスロにしろ、色々と複雑な過程を経てホールへ導入されている事が分かって頂けたかと思います。

さらに簡潔にまとめるなら「パチンコ・パチスロの正規運用期間は最長で6年、それを経過した後も設置は可能だが壊れたら直せない」という事になりますね。

以上、パチンコ・パチスロにおける『型式試験』『検定』『認定』に関する説明でした。